過去の調査依頼を検索できるWiki「igiari」を作りました

前置き

オリエンテーリングの大会では、競技の公平性が損なわれた事案に対して、競技者が調査依頼・提訴を行うことができます。
しかし運営者が、そういった不公平な事象が起きないよう未然に防ぐのは知識や経験が求められます。
また、競技者もどんなことを調査依頼して良いのか、どんな表現なら自分の意見を運営者に伝えやすいか、などはなかなか教えてもらえる機会がありません。

こういった現状から、過去の調査依頼や提訴をまとめるサイトに需要があるのではないかと考えました。

igiariとは

igiariは公表された調査依頼や提訴を取りまとめつつ、内容を匿名化・標準化することで、過去事例を参照できるようにしたサイトです。
過去事例の検索から、これからのオリエンテーリングを考える1つのきっかけになればと考えています。

https://igiari.navispo.com/

HP等で公開されている調査依頼・提訴は数が限られます。
もし手元に資料が残っている際は、ぜひご提供いただければ幸いです。

私見

私は調査依頼や提訴は全くマイナスなものではないと考えています。

確かにこういった制度は運営負荷になることは事実で、時には競技不成立という結果をもたらします。
しかしそれらは決して無駄な労力であったり、準備を台無しにするような結果ではありません。

これらは大会や競技自体をさまざまな観点から考え、議論し、将来的に良い方向へ持っていくための貴重な機会を生み出しています。
(だから調査依頼をたくさん出そうという話ではありません。円滑に公平に進んでいれば調査依頼は起こりませんし、調査依頼がないことはお互いにWin-Winな大会であったことの証明です。)

最近、私が運営に関わる際は競技者に対し調査依頼を積極的に勧めています。もちろん誰かれ構わずビラ配りのように勧めているわけではなく、競技者が疑念に感じている場合は「調査依頼」という手段で問題提起できることを伝えています。

運営者が競技者の気づかないところまで目をやるように、競技者もまた運営者の気づかないところに目がいきます。
だからこそ、その気になった部分を伝えてほしいと思います。

調査依頼・提訴は全くもってマイナスなものではありません。
喧嘩をするためのものでも、対立を煽るためのものでもありません。
競技者と運営者がお互いに公開の議論を行い、さまざまな観点からオリエンテーリングを評価することで、次のオリエンテーリングに磨きをかけるキッカケになる有益なものです。

理想論と言われればそれまでですが、しかし双方にポジティブな気持ちで調査依頼・提訴に臨んでいただきたいというのが私個人の思いです。